つぶつぶいちご

掴め 共に見上げた夢を 共に叫んだこの夢を

時計の針を動かす日――― 日食なつこ「白亜」2021/7/2@ヒューリックホール東京

ー2020/2/24、国際フォーラムでの△Sing better△Tour・東京セミファイナル。以後、私たちの時計の針は止まったままでした。今日、このヒューリックホールから、1年半ぶりに、私たちの時計の針を動かそうと思います。

 

ライブ冒頭、ニュアンスながら彼女はこのようなことを言っておられました。

私も右に同じく、2020/2/24以降、コンサート・ライブの類には行けず(行かず)、2021/7/2まで過ごしてきました。私の中の時計の針も、「白亜」と共に、日食なつこさんと一緒に動かしはじめることができました。

 

そんな一夜限りのワンマンライブ「白亜」レビューを残しておこうと思います。



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ホリゾントにダイナソーの絵がたくさん映る中、なつこさんが登場したときの感動は忘れないよう…1年4ヶ月ぶりのライブ、いざスタート!

 

M1 跳躍

1音目が鳴った瞬間から感無量でした。これを求めていたんだ!と。

セットリスト的にしっとり始まるのは想定外。だけどしっとりした曲調の中になつこさんの力強い声が響くので、がっつり胸を掴まれてしまった感覚。

 

M2 seasoning

komakiさんを感じながら聴いた曲でした。カホンの音が浮かんだ。

1サビ2サビの「まだ生まれてもいない未来に期待をすんなよ」の最後3音、下がっていくのに、ラスサビだと上がるアレンジがとても好きです。曲終わりに希望が表れてくるような表現。これを生で聞けるのがめっちゃ嬉しかった……です……

M1の力強さとは打って変わって、なつこさんの声が優しくて優しくてギャップ……

 

M3 perennial 

この歌、音源ではとっても弦の印象が強い曲だけど、ピアノ単騎だとまたハネが強い曲に聴こえて違った良さだなあ、と思い。

フットの白が良すぎてよかったね。

 

M4 ワールドマーチ

EPで一番すきな曲だったけど、生で聞いたらもっとずっと好きでした。

だってそれは君が生きた証明なんだろ?

もういいからさ この世で一番 高い塔の上に2人で経って

世界の全てを見下そうよ

それが許されるくらい 君はもう歩いたよ

1サビ前~1サビの歌詞、全部全部「僕」に肯定されている気持ちになって、泣けちゃったな。

あと2サビ前

それすら羨ましそうに見つめる君に 僕は一生敵わないんだろうと知る

の歌詞があんまりにも胸に来てつらかった。「僕」の「君」への明確な矢印が見えました。私が「君」なら「僕」のような存在がいたらとっても嬉しいのになあ。そしてこの前で緩急をしっかりつけてるのがまた「僕」自身に言い聞かせているように感じてそれもまた切なかったな。

ラスト、

僕らの未来を誰も知りはしない

なつこさんの声から「君」への「僕」の明確な意志を感じて、心が苦しかった。

音源以上に「君」を私自身に重ねてしまって、なつこさんからの励ましを勝手に受け取った気がしてほろりと泣けました。

 

ワールドマーチにちなみか、照明色とりどりでいろんな方向グルグル回ってたのよかったな~~

最後に、これはなつこさんにとって言ってほしくないかもしれないけど、2サビ頭?あたりで声が掠れちゃった部分があって、そこで1番泣けました。なつこさんの存在を急に現実に感じたような気がして。

 

……ワールドマーチ好きすぎて長くなっちゃった。

 

M5 あのデパート

冒頭のアレンジ、何の曲が始まる????というアレンジで。なつこさんのライブの醍醐味はやっぱり再現できないアレンジの数々だと思っているので、聞けるのは嬉しいなあ。生の醍醐味を思い出してしまうとライブが恋しくなりますね……

最初のアレンジパート、ピアノのディレイ?エコーがかかってたのがあまりにも綺麗で聞き入っちゃいました。

映像、マルカンデパートの映像でしたね。調べたら花巻にあるデパートなんですね。知らずに見ていてすみません。

あのデパートのリアルな歌詞と映像がリンクしていたの、とてもよかったです。

2番「ビールとコーヒーって知った」が「コーヒーだった」みたいな感じで歌詞がアレンジされてた気がした。記憶が曖昧だけど何かしら変わってた。ビールがなかった気がする。

遊びに行きたいなあ、岩手。

 

MC①

komakiさんのはなし。

体調不良だそうだけど、ダイナソーを探しに旅に出てるらしい。komakiさんらしいなあ。

1年4カ月聞けていなかった日食さんとkomakiさんの2者体制を楽しみにしていたところもあって、対バン楽しみにしてたけど、ぜひぜひでっかいダイナソー見つけてほしい。

komakiさん早く元気になって、次回ライブには参加してくださったら嬉しいね。

 

M6 真夏のダイナソー

PV未見で臨んじゃったんだけど、PVアレンジ映像めっちゃかわいいね!冒頭の8音で映像がどんどん切り替わっていくのよかった。

ピアノ単騎だととっても跳ねて聞こえて心がすっきり晴れる曲だね。カラッと晴れた日に聞きたい。(早く晴れてくれ、天気よ)

ダイナソー探しも含めて今夏のマストアイテムになりそうです。

 

M7 雪崩《新曲》

ごめんなさい!あまり覚えてないけど意外と明るい曲だったなって印象!(一度聞いた曲をすぐに忘れてしまうタイプなんです)

アンチ・フリーズ、リリース楽しみです☺️

 

M8 空中裁判

自然に手拍子生まれてた会場の雰囲気すき。演者と観客が手拍子を通じて一体になるこの感覚、うねりが生まれていくこの感覚、ああライブだなあ、生演奏の好きなところだなああ、と思いだした感じがしました。

青照明好きだったなあ。

 

M9 エピゴウネ

あまりにもカッコ良すぎだったなあ。この曲だけなつこさんが醸し出す空気が違った。声も刺すような感じだし。その差をつけられるところがなつこさんのすごいところ。私はこういうところがとっても大好き。影みを出すの本当に上手い。

紫と赤とドス黒ピンク(?)を基調とした照明だったけど、サビになると後ろの幕にずっと映し出されてるアンモナイトの真ん中に影が映るの、本当にかっこよすぎた。

 

M10 ヘールボップ

エピゴウネが陰だったらこの歌は陽ではないけど陽よりの陰。曲は明るいんだけど歌詞と声が力強い。

暗い色基調の照明から打って変わって白基調の照明。彗星が本当に流れてきてるかのような照明綺麗だったなあ。

 

MC②

衣装の話。

衣装激かわ〜〜でしたね。

そもそもミゼレーレで着ようと思ってたけど極寒で着れるわけないって見逃して、半年後にまだ売れ残ってた話も面白かった。それ以上にアメリカンサイズで裾上げどころか上半身すらめっちゃテープで止めてるって話面白くって笑っちゃった!

アンチ・フリーズ、リリースツアーやるよってお話、ここで解禁(だった気がする)

 

M11 百万里

 終盤戦です!!!という掛け声で始まったMC明け1曲め。

ピアノ単騎だと余計跳ねが際立って聞こえるの、めっちゃ好きです(何回も言ってますね)

緩急がすごい際立つ曲だと思うんだけど、その緩急の付け方が生演奏でも上手なの、本当に好きですね………

 

M12 水流のロック

この曲なくして日食さんのライブは終われない、大定番のナンバー。今回もあったね!

日食さんが曲途中で私たち観客にかけた「立っていいよ!」の掛け声で一斉にお客さんが立ち上がり沸き立つ会場、沸き起こる定番の手拍子。好き……ううう……

日食さんの声がさらに力強くなった気がして大好きな瞬間だった。これぞライブ。歌いたかったけど、それは今回は我慢だったけど。

サビ終わりのティティーンだけめっちゃディレイかかってたところ、よかったなあ。

 

M13 ダンツァーレ

「歌ってほしいよロックンロール、踊ってほしいよダンツァーレ!」

で始まったダンツァーレ良すぎて今後もやってほしい。この言葉の響き良すぎかて。

赤黄色の照明かっこよかったね。

この曲はあまりにもライブで聴きたかった曲(だって跳べ!って言われてるんだよ?)だからめっちゃ嬉しかったな。跳んでなかったけど、笑

 

M14 音楽のすゝめ

「わたしのライブにアンコールはありません!最後の曲思う存分楽しんで!」みたいな感じで始まるラストナンバー。

 

正直、始まる前から音楽のすゝめを最後に持ってくるだろうと思っていたし、まさしくその通りで、なつこさんとは気が合うなあと思ったけど、

 

予想以上にわんわん泣いちゃった。

 

ミゼレーレの初披露でもわんわん泣いたから泣かないわけがなかったのだけど。

やっぱりこの曲は生で、ライブで聞いてこその歌でした。この1年4カ月、sing betterのラスト、四十路の景色に生かされてきた人間だったから。

九つ、即ち音楽これ人の心

絶やしちゃいけない人の命 そのものなんだよ

これはあまりに久しぶりにライブに行って実感した。音楽は人の命そのものなんだよ…………。少なくとも私は。

失われた時間は2度とこない

また会える約束もできやしない

すぐに朝が来て 現実が来て 夢の冷める温度を知っちゃって

濁流のような渦の中 押し流されそうな記憶を

腕1本で 指1本で 保ち続けるお前に幸あれ

ライブの最後にこんなことを言われたら泣いてしまう。だって、私は音楽に、ライブに、その時にしか感じられない「記憶と感情」を求めて通うのですから。すぐに現実が来ちゃうかもしれないけど、その記憶と感情を求めてライブに通い、その記憶と感情を何とか心の中に保って日常を踏ん張って生きているのだから。

そんな「お前に幸あれ」と言われて、泣かないわけがなかった。

また馬鹿な僕らで会おうぜ 

また、私の生きがいを求めて、ライブに足を運びたいと思います。でも、神様みたいに信じすぎないように、したい。

これが曲最後なの、音楽に生きる者として最高の歌詞ですね…すごいなあ、なつこさんは。

 

最後の最後に髪をかき上げられたなつこさん、最後の四連音符を弾き切ったなつこさん、かっこよさの具現で大好きでした。ありがとうございました。

 

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今回のライブ、胸がいっぱいでした…………。ずっと聴きたかった、日食さんの「音」が生で聞けたこと、日食さんの励ましがたくさん詰まっていたこと………。感謝でしかありません。

 

また、直前にピアノ単騎になり、はじまるまでは本当は対バンが聞きたかったなあって思っていたけれど。

ピアノ単騎で1000弱入る箱に音を響き渡らせて圧倒させていたことに感動でした。ピアノの力の無限大さと、日食さんの肝の据わりようと、声の力強さに圧倒された1時間15分間でした。

行けて、よかった。日食さんの奏でる音楽が大好きでしたし、さらに大好きを更新しました。

 

開催を決断してくれた皆様、感染対策などを徹底し運営してくれた皆様、本当にありがとうございました。おかげで私は「白亜」の記憶と感情で生きていけそうです。

 

 

アンチ・フリーズのリリースツアー、ドリップ・アンチ・フリーズ。

宣言下での状況になってしまったけど、ドリップ・アンチ・フリーズ、初日を無事に迎えることができること、切に祈っています。

そして、私も行けることを願いながら。

 

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